段々と朝晩が少し涼しくなり、秋めいてきました。ワンちゃん達はお散歩に出やすくなってきたかと思いますが、昼間はまだまだ暑いので熱中症には引き続きお気をつけ下さい。
今回はこの時期に気をつけたい中毒として、『ブドウ』についてご紹介します。
ブドウ中毒
ブドウは抗酸化作用の強いポリフェノールや高血圧を予防するカリウムを多く含み、効能の高い食べ物とされています。しかし、犬や猫にとっては腎臓をダメにし、最悪命を奪うこともある非常に危険な食べ物となります。
近年、ワンちゃん・ネコちゃんに与えると危険なものとしてブドウは徐々に認知されてきていますが、知らなかった方も多いのではないでしょうか。ちなみに、生のブドウだけではなく、ブドウジュースやレーズンも中毒を起こします。
それでは、ブドウによる中毒について詳しくみていきたいと思います。
どんな症状がでるの?
一般的にブドウを食べてから2-5時間以内に症状が出ることが多く、主な中毒症状として以下のようなものが挙げられます。
①嘔吐・下痢
②食欲不振
③元気がない・ぐったりしている
④おしっこが出ない
⑤けいれん
なぜ中毒症状が起こるの?
ワンちゃんもネコちゃんもブドウを食べると急性腎不全を起こすと言われています。腎臓は老廃物をおしっことして体外に出す役目をしていますが、急性腎不全になるとおしっこが作られずに体内に老廃物が溜まってしまい、いわゆる尿毒症と呼ばれる状態になります。この溜まった老廃物が消化器や神経に悪さをして嘔吐や下痢、けいれんといった症状を引き起こします。
どのくらい食べたら危険なの?
実は、ブドウについて中毒を起こす成分はまだ特定されていません。そのため中毒を起こす量についてもはっきりとはしていませんが、1kgあたり20〜30g(レーズンだと3〜10g)で中毒症状が出ると言われています。あくまでも目安なので、1粒食べて中毒を起こす子もいれば、数粒食べても大丈夫な子もいます。
もしも食べてしまったら?
食べた直後であればブドウを吐かせて、中毒を最小限にできる可能性があります。すでに症状が出ているようであれば注射や点滴をします。少量だからと様子を見ていると、危険な状態になってしまう可能性があります。 1粒でも(下手したら皮だけでも)腎臓をダメにしてしまう可能性があるブドウ。もしも食べてしまったらすぐに病院にご連絡いただくか、ご来院下さい。